(特徴、原因と治し方)
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更新日 2024.11.24
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1.はじめに
ミニコミ誌や女性週刊誌などを見ると美容整形の広告がいろいろと載っていますが、それだけ今でも顔の良さに需要があるということなのだと思います。
ただ、美容整形を利用する人の中には、このページで取り上げている醜形恐怖症の人も多く含まれているのではないかと思います。
こういう意味で、今、美容整形をしようかと考えている人は、このページの内容に目を通して頂き、手術をするかどうかの判断材料にして頂くことも出来ると思います。
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2.醜形恐怖症の特徴
客観的に見れば少しも変ではないのに本人が自分の顔に大きな欠点があると思い込み悩んでいるのが醜形恐怖症の特徴になります。
そして、このために自分の顔を何度も鏡を見て確認したり、着る物やお化粧を必要以上にしてしまうとか、常に他人と自分を比較し落ち込んでいるといった状態になっているのです。
ただ、これらの行動は自分の顔に対する神経症的な「とらわれ」が出来ているために起こることだと言って良いと思います。
しかし、これは森田療法の立場から見ると自分の顔に対する「とらわれ」に引きずられた気分本位の「はからい」の行動ということになります。
ですから、鏡を見たり整形手術をすることで一時的には満足できても、長い目で見ると、ますます自分の顔に対する「とらわれ」を強くすることになってしまうのです。
こういう意味で醜形恐怖症は強迫神経症の1つの症状になると言って良いと思います。
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3.原因
心配性や完璧主義、負けず嫌いといった神経質性格の特徴を持った人が何かのキッカケで自分の顔に対する劣等感を感じ、この劣等感に引きずられて行動してしまうことで、少しずつ顔に対する「とらわれ」を強くし醜形恐怖症の状態になってしまうことが多いものです。
例えば、眉間のしわにとらわれている人は、たまたま、ある時に友達から眉間のしわのことを指摘されたことがキッカケになってしまうのです。
ですから、元々持っているその人の神経質性格が1つの原因であり、これにキッカケとなるような出来事が起こると、これが2つ目の原因となり醜形恐怖症が起こるようになると言って良いと思います。
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4.治し方
神経症の「とらわれ」が原因になっている場合は日常生活を送りながら森田療法の学習をしていく中で自覚が深まり「目的本位のクセ」が身に付いてくると、これに比例して顔に対する「とらわれ」が薄れてくるものなのです。
ですから、これが醜形恐怖症の治し方だと言って良いと思います。
なお、「とらわれ」が原因の場合でも症状が強くなっている時は日常生活を送ることが難しくなることもあります。
そして、この場合は医療機関での入院森田療法で対応していくことが必要になってくると思います。
入院森田療法により森田療法の考え方を身に付けることが出来れば、この結果として「とらわれ」は薄れてくるものなのです。