(原因と改善のための説明)
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1.はじめに
頭がクラクラし、ふらつきや目眩を感じることは誰でも時によっては起こるものですが、検査をしても原因が分からず、死の恐怖を強く感じる場合は不安神経症や普通神経症から来ている場合が多いものです。
頻繁にふらつきを感じる場合、普通はメニエール病とか脳梗塞、高血圧、低血圧、貧血など体のどこかに病気があると考えやすいものですが、病院で検査をしても特に異常が見られないという場合は神経症が原因になっている場合が多いものなのです。
なお、慢性的な「ふらつき」や慢性目眩の場合は、頭がふらついたり、体がゆれるというタイプが多いように思います。
この「ふらつき」という症状は吐き気や立ちくらみと共に不安神経症やパニック障害でもよく見られるものですが、この場合は、ある一定の状況の下で突発的に起こるものであり、ふらつきと同時に動悸や、息苦しさを感じることが多いものです。
そして、この場合は、周囲が回転するような感じの「ふらつき」、つまり回転性目眩や、身体がフワフワ浮いているような感じになる浮動感タイプになることが多いように思います。
これに対して、普通神経症から来る「ふらつき」の場合は突発的に起こるということではなく、毎日ちょっとした行動を取る時に頻繁に感じることが多いものです。
そして、不安神経症から来る場合のように「これは大変だ、どうしよう」と「死の恐怖」を直接的に感じることは少ないものなのです。
ただ、体のどこかに病気があるのではないかと感じ、病院巡りをすることが多いものです。
しかし、いくら病院で検査しても、特に病気と言えるような異常が見つからず、色々な病院を渡り歩くことになっている人も多いものなのです。
このように、慢性的にふらつきの症状を感じる場合はさっきも書きましたが普通神経症の症状になると言って良いと思います。
これに対して、突然感じる「ふらつき」の場合は不安神経症から来ていると考えて良いと思います。
ただ、ふらつきの場合は実際に体に何かの病気があって、これが原因となって起こっている場合も多いと思います。
ですから、病院で検査してもらって、原因となる、はっきりした病気がないという場合に神経症から来ている「ふらつき」の可能性が大きいと考えた方が良いと思います。
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2.症状克服(改善)の一口ヒント
不安神経症から来る「ふらつき」や目眩の場合は、症状が起こった時に「これは、大変だ」とか「このまま死んでしまったら、どうしよう」と考えてしまうために、さらに不安を大きくしてしまうものなのです。
しかし、未だかつて、ふらつきのために命を失ったり、体に障害を残すようなことになった人は一人もおりませんので、まず、この事実をきちんと自覚していくことが大切だと思います。
また、普通神経症から来る「ふらつき」や目眩の場合は、何かの病気の前兆ではないかと考え病院巡りを繰り返したり、薬やサプリメントを飲んでしまうことが多いものです。
しかし、これらは森田療法では気分本位の「はからい」の行動ということになりますので、病院で診てもらったり、薬を飲むことで一時的には症状が楽になりホッと出来ても、長い目で見ると、ますます、症状を強く感じるようになってしてしまうものなのです。
ですから、普通神経症から来る「ふらつき」や目眩の場合は、まず、病院巡りや、薬を飲むなどの気分本位の行動を取らないようにしていくことが大切になります。
そして、この上で、目的本位や「あるがまま」など、森田療法の考えに従って行動するようにしていくと、ふらつきの症状を必要以上に大きくしなくて済み、また、少しずつ症状が改善してくるものなのです。