(原因と克服方法の解説)
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更新日 2024.03.08
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1.はじめに
最近は連絡方法として「LINE」やツイッターなどを使うことに慣れた若い世代が社会人になり、昔よりもさらに会社などの固定電話に対して苦手意識や恐怖感を持つ人が増えているのではないかと思います。
そして、この中には神経症の一種である電話恐怖症の人もかなり含まれているのではないかと思います。
このページでは、こういう人たちのために、いくらかでも参考にして頂ければと思い、私自身の体験も踏まえて解説させて頂きます。
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2.電話恐怖症とは
これは会社の職場などで電話をしている時に周りの人から話の内容を聞かれているように感じ思うように話せなくなってしまう、という形で現れてくる悩みになります。
また、周りに人がいると見られているように感じ、緊張したり、ぎこちなくなってしまい、思うように電話が出来なくなってしまう、という形で現れることも多いものです。
そして、かつての私もそうでしたが、電話恐怖症に悩んでいる時には会社の職場など周りに人がいる時に電話をかけることが出来ず、人がいない時を見計らって電話するということも多いと思います。
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3.私自身の体験例
(電話恐怖症に悩んでいた時の状況)かつて私も会社に勤めていましたが、その頃は事務室で業者に電話する必要がある時でも周りの人が気になり、思うように電話が出来なかった時があります。
また、電話がかかってきた時でも他の人が取るだろうと思い、電話に出ることを無意識のうちに避けてしまうことが多かったように思います。
そして、どうしても必要な電話の時は食堂に行って、周りに人がいないことを確認し、そこにある電話を使ったりしたこともあります。
このように電話をかけることも、電話に出ることも、周りの人目が気になり、自然に出来ない状態になっていました。
このころは、口下手で話すことに対して自信がなく劣等感を抱いていましたので、これも影響して電話に対しても苦手意識や恐怖を抱いていたのではないかと思います。
幸い、私の場合は、たまたま図書館で手にした本がキッカケになり森田理論(森田療法の理論)の学習をしたことで悩みを乗り越えることが出来ました。
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4.原因
電話恐怖症の場合も人から変に思われるのではないかとか、嫌われたらどうしようという対人不安が原因になっていると言って良いと思います。
つまり、電話での受け答えに対して劣等感を持っており、このために電話をしている時の自分の姿を周りの人に見られ、変に思われたり見下されるのではないかと感じてしまうものなのです。
そして、こういう不安を感じる背景には人から良く思われたり評価されたいという欲求があると言えるのです。
つまり、こういう欲求が強いからこそ、電話での受け答えによって変に思われたらどうしようという不安も強くなってしまうものなのです。
そして、この対人不安だけに目を向け、これを無くそうとしてしまうために、逆に、ますます電話に対する緊張や苦手意識を強くしてしまうということになるのです。
具体的には周りに人がいる時に電話をかけたりすることから逃げてしまうということになります。
このように電話に対する緊張や苦手意識に引きずられて行動してしまうことを森田療法では気分本位の「はからい」の行動と言っていますが、こういう行動を取ることで、かえって「とらわれ」が強くなり、緊張や苦手意識を強くしてしまうものなのです。
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5.克服方法
今は電話恐怖症のために精神科などの病院に行くと薬を処方されるだけで終わってしまうことが多いと思います。
しかし、「とらわれ」が原因になっている場合は、これでは根本的なの克服には結びつかないものなのです。
つまり、「とらわれ」が原因になっている場合は森田理論の学習を取り入れることが重要になってくるのです。
森田理論の学習をしていく中で、電話をしている時の人前での緊張や不安に対する「とらわれ」が薄れてくることで根本的に克服することが出来るものなのです。