(原因と克服法の解説)
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更新日 2021.05.08
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1.雑談恐怖症とは
仕事の話は出来るけれど仕事以外の休憩時間の会話などが出来ない、いわゆる世間話が思うように出来ないことで悩んでいる人も多いものです。
こういう悩みを森田療法では雑談恐怖症と言っていますが、これは対人恐怖症の中でも良く見られるものです。
最近、コミュ障やアスペルガー症候群といった言葉を目にすることが多くなりましたが、これらの中にも雑談恐怖症の人がかなり含まれているのではないかと思います。
具体的には仕事で必要な話は何とか出来るけれども休み時間に仕事以外のことを話す時に緊張し思うように話せなくなってしまう、このため、これが嫌で一人で外に出かけたりして人から逃げてしまうという形になります。
つまり、どうしても必要な事は話せるけれど、そうでない場面になると急に言葉が出なくなってしまうのです。
このために会社の旅行とか宴会などに出るのが苦痛に感じている人も多いものです。
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2.原因
今、上にも書きましたが、雑談恐怖症は休憩時間などに話をしないことで周りの人から変に思われてしまうという「とらわれ」出来ているものなのです。
そして、こういう「とらわれ」が出来るのは心配症や内向的、完璧主義といった神経質性格の特徴を持っている人に多いのです。
つまり、こういう神経質性格の人が雑談が出来ず一人だけ浮いてしまったというような惨めな経験をすることで悩むようになるのです。
つまり、こういうショックな出来事があると、また、同じような惨めな経験をするのではないかと予期不安が強くなり、この不安をなくそうと人と接する機会を避けてしまうことで、一時的には楽が出来ても、長い目で見ると、ますます予期不安を強くすることになってしまうのです。
そして、この結果、世間話や雑談に対する「とらわれ」が出来てしまうのです。
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3.克服法
うつ病や統合失調症といった心の病が原因ではなく、世間話や雑談に対する「とらわれ」が原因の場合は森田療法の学習をしていく中で自覚が深まり「目的本位のクセ」が身に付いてくると、これに比例して症状が改善してくるものなのです。
つまり、森田療法の学習をしていく中で雑談が出来ないことで周りの人から変に思われるという「とらわれ」薄れてくると、この結果として雑談恐怖症を克服することが出来るものなのです。
ですから、これが克服法になると言って良いと思います。