(克服のための具体的な説明)
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更新日 2021.06.20
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1.概要
不完全恐怖は確認恐怖症や確認癖とも呼ばれますが、例えば、ガスの元栓を、ちゃんと閉めたかどうか、戸締まりのカギを閉めたかどうかと気になってしまい、何度も、これを確認してしまう、という形で現れる悩みです。
また、書類やレポートを書くのに、ちょっとしたところが不完全に思えてしまい、何度も確認し直したりして、時間が非常にかかってしまうという形で現れることもあります。
つまり、自分のしたことに自信が持てず、不完全に感じてしまい、何度も確認してしまう状態だと言って良いと思います。
なお、この不完全恐怖も、完全欲にとらわれてしまうという点で、対人恐怖症や潔癖症などと同様に強迫神経症に入るものだと言えます。
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2.薬に頼らない克服方法
不完全恐怖に悩んでいる時は、見落としや間違いが少しでもあってはならないと考え、100%完全を求めていることが多いものなのです。
そして、このために、逆にますます、見落としや間違いをしているのではないかと感じ、不安や恐怖を感じてしまうという「悪循環」に陥っていることが多いものなのです。
ですから、まず、100%完全は現実にはあり得ないことなんだと受け止めていくことが第一歩になると思います。
また、不完全さや確認癖に引きずられて行動してしまうという癖を直すために、必要以上に確認しないようにしていくことも大切になってきます。
そして、この上で、目的本位や「あるがまま」など、森田療法の考えに従って行動するようにしていくと、薬に頼ることなく不完全さを必要以上に大きく感じなくて済むようになり、これに比例して不完全恐怖の症状が少しずつ和らいでくるものなのです。
なお、不完全恐怖の場合も、他の神経症(不安障害)の症状と同様に薬による治療だけでは根本的な改善には結びつかないものなのです。