(症状と原因、薬なしの対応についての解説)

  • 1.症状と原因

    心気症は、心気神経症や心気障害、疾病恐怖症とも言われますが、強迫神経症の一種であり、自分が何かの重い病気になってしまうのではないかと不安になってしまう症状になります。

    心気症の中でも、ガン恐怖症やエイズ恐怖症、心臓病恐怖、精神病恐怖が多く見られるものです。

    現代でも死亡率の上位を占めるガンやエイズ、心臓病は死に直結する病気ということで、どうしても不安を抱きやすいのだと思います。

    また、心気症の場合は強迫神経症に含まれる症状になりますが、普通神経症の場合と同じように体の違和感といった症状が気になり病院巡り、いわゆるドクターショッピングを繰り返すパターンになることが多いものです。

    そして、病院で診てもらって特に異常がないと言われても、本当は重大な病気に違いないと感じてしまうのが、心気症に悩んでいる時の状態だと言って良いと思います。

    また、心気症に悩んでいる時は病院の先生が言った何気ない一言で、かえって症状を「とらわれ」を強くしてしまうことも多いものなのです。

    以前、私のお手伝いしたクライアントの方で、手の痺れや震えの症状のために病院に行ったところ、病院の先生が何気なく口にしたパーキンソン病という言葉が気になってしまい、今度は、これにとらわれるようになってしまった人がいます。

    心気症の場合、自分が何かの重病ではないかという不安に引きずられて病院に行ったり、サプリメントを飲んだり、整体や鍼、灸といった民間療法を行なってしまうことで、かえって症状を強くしているものなのです。

    これが森田療法で言っている気分本位の「はからい」の行動ということになるのですが、これが心気症の症状をますます強くしてしまう原因だと言って良いと思います。

  • 2.薬なしの対応について

    自分が何かの重病ではないかと不安になり病院き、検査の結果、特に異常がないと言われても納得できず、市販の薬を飲んだり、サプリメントを飲んだり、整体や鍼、灸といった方法で対応しようとする人も多いものだと思います。

    しかし、今、上にも書きましたが、心気症の場合、病気の不安に引きずられて行動してしまうことで、かえって症状を強くしているものなのです。

    ですから、まず、こういう気分本位の「はからい」の行動を取らないようにしていくことが大切になってくるのです。

    そして、このためには森田療法の考え方を参考にして目的本位の行動を取るようにしていくと良いと言えるのです。

    つまり、こうしていく中で病気に対する「とらわれ」が薄れてくると、この結果として薬を飲むことなしに心気症の症状は治ってくるものなのです。

    ですから、これが心気症の対応としてもっとも確実な方法だと言って良いと思います。