(原因と克服方法の解説)
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更新日 2024.11.30
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1.心配症とは
心配症は予期恐怖とか心配性とも言われますが神経症に悩んでいる時に共通して見られる症状になります。
自分の将来に対する不安が強いとか、みんなの中でまた自分だけが浮いてしまうのではないかとか、どうなるか分からない先のことに対して不安を感じてしまうのが心配症の特徴になります。
また、自分の体のことが心配になってしまう心気症や、ガン恐怖症、エイズ恐怖といった形で現れることも多いものです。
もともと、完全欲の強い神経質性格の人は過去のことを後悔したり未来に対して不安を感じやすい傾向があるのですが、神経症に悩んでいる時は特にこの傾向が強くなっているのです。
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2.原因
心配症の場合も原因は「内的要因」と「外的要因」の2つになります。
「内的要因」というのは神経質性格を持っているかどうかということになります。
そして、「外的要因」は大きな心配をした出来事ということになります。
つまり、神経質性格の特徴を持った人が、大きな不安や心配を感じるような経験がキッカケで「とらわれ」が出来、この結果、心配症に悩むようになるということなのです。
ただ、こうなる過程では不安や心配に引きずられて行動してしまう、森田療法で言っている気分本位の行動の積み重ねということが影響してきます。
例えば、大きな地震を経験した人が、また大きな地震にあったらどうしようという不安に引きずられた行動を繰り返してしまうことで、逆にますます不安を大きくし「とらわれ」が出来てしまうのです。
つまり、大きな地震にあったらどうしようという不安だけに目を向け、この不安を無くそうとして引っ越しをしたりしてしまうと、一時的には不安は治まりますが長い目で見ると逆にますます不安を強くし「とらわれ」が出来てしまうということなのです。
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3.薬に頼らない克服法
心配症は神経症の一種ということになりますので、森田療法の学習によって対応していくのが最も効果的な克服方法になると思います。
森田療法では不安や心配はそのままに目の前の「なすべきこと」をこなしていくという「目的本位の行動」を積み重ねていくのが基本になります。
ただ、この前提として感情に対する考え方など森田理論を頭に入れておくことが大切になってきます。
つまり、ただ闇雲に頑張っても、これでは、なかなか思うような効果は期待できないものなのです。
森田理論を頭に入れた上で行動の仕方を変えるようにしていくことが大切になってくるのです。
つまり、こうしていく中で「目的本位のクセ」が身に付いてくると、これに比例して「気分本位のクセ」が直り、この結果として「とらわれ」がうすれ、この結果として薬に頼ることなく心配症を克服することが出来るものなのです。