(原因と症状克服のための具体的な説明)
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1.はじめに
もしかしたら、今、あなたは人見知りで、人付き合いが苦手なことで悩んでいないでしょうか?
このページでは、こういう、今、この時点で人見知りの悩みを抱いている人のために参考にして頂ければと思い、解説をしております。
会社や学校など、人間として生活していく中で人間関係は切っても切れないものだと思います。
しかし、内気で口下手なために、こういう人間関係に支障を感じている人も多いと思います。
このページでは、こういういわばアウトサイダー的な人のために、少しでも勇気を持ってもらえればという意味も込めて書いております。
なお、人見知りを対人恐怖症や社交不安障害の軽いものだと解説しているサイトや本などもあるように思います。
つまり、人見知りが強くなると対人恐怖症や社交不安障害になるという考えです。
しかし、このページでは、人見知りを対人恐怖症や社会不安障害に悩んでいる時の特徴の1つだと考え、解説しております。
これは、劣等感の強さや自信のなさと同様に、人見知りの状態を強くしてるのが対人恐怖症や社会不安障害に悩んでいる時の特徴だと言えるからなのです。
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2.人見知りとは
一般的には赤ちゃんとか3歳くらいまでの子供の頃に良く見られる状態だと言われています。
しかし、これが大人になっても治らず、ますます強くなり、常に人が気になる状態になってしまい悩んでいる人も多いものなのです。
こういう極度の人見知りは最近では場面緘黙症と言われることも増えているように思います。
このような神経症レベルの極度の人見知りの場合は、苦手な人の前などで緊張し思うように話せなくなってしまうという形で現れてくるのが特徴ですが、これは対人恐怖症や社交不安障害の1つの症状になり強迫神経症に含まれる場合が多いと思います。
つまり、対人恐怖症や社交不安障害に悩んでいる時に共通して見られる特徴の1つが極度の人見知りだと言っても良いと思います。
ただ中には、トラウマや発達障害など、神経症以外の原因から起こる場合もあると思います。
そして、この場合は対応の仕方も神経症の場合とは異なってきます。
いずれにしても、このページでは大人の場合の人見知りについて解説しております。
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3.具体的な症状
大人の場合の人見知りには、具体的にどういう症状が起こるかをまとめてみると下記のようになります。
これらの項目のいくつかに思い当たる点があれば、今のあなたも、大人の人見知りの状態になっている可能性が高いと判断して良いと思います。
1)内気で人に思ったことをそのまま言う事が出来ない。
2)照れくさくて、人に気軽に声をかけることが出来ない。
3)極度の恥ずかしがり屋で異性と付き合ったことがない。
4)会社でコミュニケーションがうまく取れない。
5)人付き合いが苦手で友達がほとんどいない。
6)人前で話すのが苦手で悩んでいる。
7)プライドが傷付けられるのではないかと不安で人を避けてしまう。
8)初めての人と会うような時に憂鬱になってしまう。
9)人間不信があり人と接するのが怖い。
10)馬鹿にされたらどうしようと不安で人と付き合えない。
11)人前だと言葉が浮んでこなくなってしまう。
12)親戚付き合いが上手く出来ない。
13)3人以上で話すような時に無口になってしまう。
14)劣等感を感じないような相手だと自然に話せる。
15)面と向かって会話するのが苦手。
16)偉い人と話す時にあがってしまう。
17)人からどう思われているかが気になってしまう。
18)人を誘うのが苦手。
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4.原因
神経質性格という内的要因を持っている人が人前で恥ずかしい経験をしたりすると、これが「きっかけ」になり、また恥ずかしい思いをしたり緊張したらどうしようと不安になりやすいものなのです。
そして、この不安だけに目を向け、これを無くそうとして人と接することを避けてしまうことで、人に対する恥ずかしさや緊張の「とらわれ」を強くしてしまうものなのです。
そして、この結果として、人見知りの症状が出てくると言って良いと思います。 -
5.薬によらない克服方法
極度の人見知りの症状に悩んでいる時は友達関係や恋愛関係がうまくいかず、かつての私もそうでしたが、人前であがらない方法とか交際術や心理学関係の本を読んだりインターネットのサイトを見たりすることが多いと思います。
また、中には催眠療法とか、霊能者による祈祷、宗教などに救いを求めてしまう人も多いように思います。
しかし、こういう人見知りの症状だけに目を向け、これを無くそうとする行動を取ってしまうと、これは森田療法で言っている気分本位の「はからいの行動」ということになってしまうのです。
ですから、この方向では極度の人見知りの症状は回復するどころか逆に強くなってしまうものなのです。
ですから、人見知りの症状を感じながらも、森田療法の考え方に沿って目的本位の行動を積み重ねるようにしていくことが大切になってくるのです。
こうしていく中で自覚が深まり、人前での緊張などを「あるがまま」に受けとめることが出来るようになると、この結果として、薬などを飲まなくても、人見知りの症状を克服することが出来るものなのです。