(症状のチェックと原因、克服方法の解説)

  • 更新日 2021.08.05
  • 1.はじめに

    女性同士であれば、それほど緊張や不安を感じることなく接することが出来るけれど、男性に対しては異常に緊張や恐さを感じてしまい、思うように接することが出来ないという女性も多いものです。

    これが一番の悩みになっているのが、いわゆる男性恐怖症と言われている症状になります。

    このページでは、今、現実に男性恐怖症に悩んでいる方を対象にして書かせていただきました。

    最近、生涯未婚率が高くなっているという話を聞くことが多いですが、この中には男性恐怖症のために、思うように恋愛や結婚が出来ないという女性の影響もあるのではないかと思います。

    いずれにしても、今、男性恐怖症に悩んでいる方にとって、このページの内容が参考になれば幸いです。

  • 2.男性恐怖症とは

    この症状は男の人が苦手で恐く感じてしまうために、触れられたりすると強い不安感を感じる、このために一緒にいることに耐えられないということで、思うように男性と接したり恋愛関係を築くことが出来ないというパターンで現れることの多い症状になります。

    一般的には、思春期以降、結婚するまでの若い女性に多く見られる症状ですが、これ以外の女性や、中には男性にも関わらず、この症状に悩んでいるケースもあると言われています。

    そして、男性恐怖症には過去に男の人から受けた心の傷、つまり、トラウマが原因になっている場合と、神経症の「とらわれ」が原因になっている場合の二通りがあると言って良いと思います。

    トラウマの例としては強姦やレイプ、痴漢の被害に遭ったとか、言葉によるセクハラ、失恋などの辛い恋愛体験、父親や兄弟、親戚といった身近な男性からの性的虐待、子供の時の男子生徒からのいじめの経験などがあります。

    神経症の「とらわれ」が原因になっている例としては、赤面症や視線恐怖症、対人不安といった対人恐怖症に含まれる症状が、特に男性に対して強く起こってくるものだと考えて良いと思います。

    なお、比率的にはトラウマが原因になっている場合よりも神経症の「とらわれ」が原因になっている場合の方がはるかに多いと思いますので、このページでは神経症の「とらわれ」が原因になっている男性恐怖症をメインにして説明させて頂きます。

  • 3.症状のチェックと診断

    もしかしたら自分は男性恐怖症になっているのではないかと心配になっている方も多いことと思います。

    こういう方のためにチェック項目をまとめてみましたので自己診断のための参考にしてみて下さい。

    下記のチェック項目に思い当たることの多い人は男性恐怖症の状態になっていると考えて良いと思います。

    1)男の人に対して不安や恐怖を強く感じる。
    2)男性が近づいてくるだけで威圧感を感じる。
    3)話したり体が少し触れるだけでも赤面してしまう。
    4)密着するようなスペースに男性がいると、動悸が起こる。
    5)話すとか触れられるだけではなく、近づくだけで耐えられない。
    6)男性のことを考えるだけで嫌悪感や恐怖感を抱いてしまう。
    7)男子社員が下ネタを話すのを聞くだけで、吐き気をもよおしてしまう。
    8)エレベーターや電車などで男性がいると恐怖から過呼吸になる。
    9)男の人からの視線に恐怖を覚えてしまう。
    10)若い男の子と話したりするだけで緊張し、発汗してしまう。
    11)男らしい体型やしぐさに不快感を感じてしまう。
    12)男性が側にいるだけでも緊張してしまう。
    13)男の社員と2人きりでいると緊張し気分が悪くなる。
    14)男性と2人きりでいると緊張や恐怖からめまいが起こる。
    15)男の人が側にいると普段通りに考えられなくなる。
    16)彼氏が側にいると何時ものように話が出来なくなる。
    17)筋肉隆々で体が大きく、力の強そうな男に恐怖を感じる。
    18)ネクタイを締めたサラリーマン風の男性に嫌悪感を抱いてしまう。

  • 4.原因

    先ほども書かせて頂きましたが、男性恐怖症にはトラウマが原因になっている場合と、神経症の「とらわれ」が原因になっている場合の二通りがありますが、このページでは神経症の「とらわれ」の場合について書かせて頂きます。

    過去に受けたショックな経験とかトラウマがなくても男性恐怖症になる女性も多いものです。

    そして、この場合は神経症の「とらわれ」が原因になっていると考えて良いと思います。

    つまり、男の人の前で顔が赤くなったり、視線が気になったり、汗をかいてしまったりすると、これによって自分が変に思われると考え、これらを異常なこととか「良くないこと」と受け止めてしまうことが多いものなのです。

    そして、このように受け止めてしまう結果、顔が赤くなることや視線が気になること、汗をかくことだけに注意を向け、これを自分の意志の力で無くそうとしてしまうことで、ここに「とらわれ」が起こり、かえって、顔が赤くなったりしやすくなり、男性恐怖症の症状になってしまうのです。

    つまり、男性恐怖症は男の人から変に思われたらどうしようという不安から起こる対人恐怖症の一種だと言えるのです。

  • 5.克服方法

    今、上にも書かせていただきましたが、男の人が苦手で恐く感じてしまうという男性恐怖症の症状は、神経症が原因の場合は、脳とか身体の異常から来るものではなく、精神的な要因である「とらわれ」、つまり、心の置き所が原因となって起こる症状になります。

    ですから、男の人に対する苦手意識や恐さ、緊張を和らげるために、抗うつ剤や抗不安薬といった薬を飲んだり、赤面しにくくなるようにと手術をしたりしても、一時的に良くなったように感じるだけに過ぎないのです。

    つまり、また少し経つと緊張や赤面といった症状が起こるようになってしまい、男性恐怖症の症状がぶり返し、いつまで経っても治らないということになりやすいものなのです。

    しかし、対人恐怖症の場合と同様に、森田療法の学習をしていく中で自覚が深まり、緊張や赤面といった症状に対する受け止め方が変化し、精神的な原因である「とらわれ」が薄れてくると、この結果として男性恐怖症の症状が改善してくるものなのです。

    つまり、森田療法の学習をしていく中で、男の人の前での苦手意識や恐さ、緊張、赤面などの症状を「あるがまま」に受け入れることが出来るようになると、この結果として男性恐怖症の症状が治ってくるのです。

    ですから、これが薬に頼らない克服方法になると言って良いと思います。