(原因と克服方法の解説)
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更新日 2024.12.03
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1.はじめに
勉強や仕事をしている時に全く関係のない他のことが頭に浮かんでしまうということは、誰にでも時にはあるものだと思います。
しかし、世の中には、このことで悩んでいる人も多いものなのです。
これが雑念恐怖症と言われるものなのですが、このページでは、この悩みについて解説させて頂きます。
今、雑念のことで悩んでいる方の参考に少しでもなればと思っております。
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2.雑念恐怖症とは
別のことが頭に浮かび仕事や勉強など、今やっていることに集中できないと悩むのが雑念恐怖症になります。
この悩みは森田療法では雑念恐怖とも呼ばれますが、例えば仕事をしている時に別のことが頭に浮かんでしまい仕事に集中できないとか、勉強をしている時に隣の家の音が気になってしまい集中して勉強できない、という形で現れることが多いものです。
不眠症などの睡眠障害で悩んでいる人の中には、寝室にある時計の音が気になってしまい眠れないという人もいますが、このように物音が気になってしまう雑音恐怖症も大きな意味では雑念恐怖症に入ると考えて良いと思います。
なお、雑念恐怖症は強迫神経症の代表的な症状になります。
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3.原因
心配性で人一倍、完全欲の強い神経質性格の特徴を持っていることが雑念恐怖症になる原因の1つになります。
そして、こういう神経質性格の特徴を持っている人が他のことが頭に浮かび仕事に集中できないといった嫌な経験をすると、これがキッカケになり雑念恐怖症に悩むようになるのです。
つまり、仕事をしている時は他のことを考えたりしては絶対にいけないという考えがあると、どうしても、無理に他のことが頭に浮かばないようにしようとしてしまうものなのです。
しかし、これは感情を意志の力で変えようとする不可能を可能にしようとする努力ということになってしまいますから、この結果は、逆に余計に他のことが頭に浮かぶようになってしまうものなのです。
そして、この繰り返しの中で雑念に対する「とらわれ」が出来、雑念恐怖症の状態になってしまうのです。
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4.克服方法
「とらわれ」が原因になっている雑念恐怖症の場合は森田療法の学習をしていく中で、別のことが頭に浮かび仕事や勉強に集中できないという状態を「あるがまま」に受け入れることが出来るようになれば、この結果として症状は改善してくるものなのです。
ただ、このためには目的本位など森田療法の考え方をきちんと頭に入れた上で毎日の行動の仕方を軌道修正していくことが大切になってきます。
森田療法では、これを実践と言っていますが、この実践を積み重ねていく中で自覚が深まり「目的本位のクセ」が身についてくると、これに比例して雑念の「とらわれ」を「あるがまま」に受け入れることが出来るようになってくるのです。
そして、この結果、雑念恐怖症を克服することが出来るのです。