(原因と対策)
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更新日 2021.05.05
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1.多汗症とは
汗っかきの悩みである多汗症は森田療法では発汗恐怖と呼ばれることが多いですが、人前で緊張した時に汗を異常にかいてしまい相手から変に思われたのではないかと悩んでいる状態を言います。
汗が出る場所は手のひらだったり(手掌多汗症)、脇の下だったり、背中だったりと、いろいろですが、この多汗症の人が最近は増えているように感じます。
特に女性の場合は汗をかいた後にブラウスの脇の下に汗のしみが出来ることで悩んでいる人が多いように思います。
そして、このために中には脇の汗を吸わせるパットを使ったりする人もいます。
また男性の場合はズボンのお尻の部分に汗をかいてしまい気になる人もいます。
汗をかくかどうかは体質的に個人差があるのですが、汗っかきで悩んでいる人は自分が人よりも大量に汗をかいていると感じ気になっているのです。
また、汗っかきの悩みと同時に汗の臭いが人に伝わり迷惑をかけていると感じてしまう人も多いものです。
特に脇の汗の臭いが気になる人が多いのですが、これは一般的にはワキガと言われていますが、森田療法では体臭恐怖と呼ばれています。
汗の量や臭いというのは体質的に個人差の大きいのですが、多汗症で悩んでいる人の場合は実際には平均より少ないことの方が多いものなのです。
また、身だしなみに気を使う人の方が汗に敏感で、多汗症に悩みやすい傾向があるように思います。
なお、この多汗症も人から変に思われるのではないかという不安がベースになっていますので対人恐怖症に含まれると言えます。
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2.原因
多汗症は汗腺など体の異常から起こる場合もありますが、神経質性格の特徴を持っている人の場合は大部分が神経症の「とらわれ」が原因だと考えて良いと思います。
つまり、たくさん汗をかくことで人から変に思われると感じ、汗が出ることを良くないことだと考え排除しようとすることで、逆に汗に対する「とらわれ」が出来てしまうのです。
そして、この「とらわれ」に引きずられて行動することで、ますます汗が気になるようになってしまうのです。
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3.対策
今、上にも書きましたが、多汗症の大部分は汗腺などの体の異常が原因ではなく「とらわれ」が原因だと言えるのです。
ですから、薬や手術により一時的に治ったように思えても、また少し経つと、ぶり返し、なかなか良くならないことが多いものなのです
しかし、森田療法の学習をしていく中で汗に対する受け止め方が変化し、原因である「とらわれ」が薄れてくると、この結果として改善してくるものなのです。
つまり、汗っかきの状態を「あるがまま」に受け入れることが出来るようになると、この結果として治ってくるのです。
ですから、これが多汗症の最も確実な対策になると言って良いと思います。