(原因と克服法の解説)
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更新日 2024.03.09
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1.会食恐怖症とは
人と一緒に食べることに対して緊張や不安、恐怖感を感じてしまう悩みである会食恐怖症は対人恐怖症に含まれます。
対人恐怖症は最近では社交不安障害とか社交不安症と呼ばれることが多くなりましたが強迫神経症に含まれるものだと考えて良いと思います。
会食など外で食事をする時に他人の視線に対して恐怖や不安を感じ、自然に食べられなくなったり、自分が周りの人から嫌われたり笑われたりするのではと感じ、ぎこちない食べ方になっている状態だと言えます。
ただ、会食の際に吐き気や、めまい、動悸、飲み込めなくなる嚥下障害といった症状が強い場合は不安神経症が原因の外食恐怖の方に近くなると思います。
しかし、最近よく見る会食恐怖症の解説記事の中には不安神経症から来る外食恐怖や嚥下障害、嘔吐恐怖症も含めているものが多いように思います。
いずれも神経症(不安障害)に含まれるものですが、厳密に言えば分けて考えた方が良いのではないかと感じています。
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2.原因
会食恐怖症の場合も神経質性格という内的な原因と、給食などの時の完食指導や周りからの強要により辛い思いをしたというような外的な原因が重なって起こると考えて良いと思います。
最近は、この外的要因だけが原因のように解説されていることが多いですが、神経質性格という内的要因がなければ会食恐怖症にはならないと思います。
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3.克服法
会食時の緊張や不安、恐怖感から人との食事を避けてしまうと一時的には楽が出来ますが、長い目で見ると、ますます、会食恐怖症の症状を強くしてしまうものなのです。
ですから、まず第一に人との食事を避けないようにすることが大切になってきます。
ただ、闇雲に人との食事を避けないようにと頑張っても、この方向では、なかなか上手くいかないものなのです。
しかし、森田療法の考え方を参考にしながら頑張るようにしていくと、少しずつ出来るようになってくるものなのです。
つまり、会食の場だけではなく日常生活の色々な面で目的本位など森田療法の考えに沿って行動していくと、少しずつ「目的本位のクセ」が身に付いてくるものなのです。
そして、こうなれば、会食をする状況に遭遇しても緊張や不安を必要以上に大きくせずにすみ、人との食事も逃げずに取れるようになってくるものなのです。
ですから、これが会食恐怖症の薬を用いない克服法になると言って良いと思います。