(原因と薬に頼らない対応のための説明)

  • 1.症状の特徴

    わきがはカタカナでワキガとか、腋臭症(えきしゅうしょう)、臭汗症(しゅうかんしょう)と呼ばれることもありますが、わきの下(腋窩)から特有の悪臭を放つ症状を言います。

    ただ、わきの下の臭いが実際には、それほどの悪臭ではないのに、自分では悪臭だと感じ、このために人に迷惑をかけたり、人から嫌がられていると感じてしまうことも多いものなのです。

    わきがの中には、こういう精神性の場合がかなり含まれているように思います。

    そして、これも神経症から来る症状だと言えるのです。

    汗腺の異常などから来る純粋な、わきがの場合には手術をしたり薬を塗ったりして対応することで症状の改善が期待できるのですが、神経症から来る精神性の、わきがの場合は手術や薬により一時的には効果が感じられたとしても、少し経つと症状が再発してしまうことが多いものなのです。

    そして、わきがの手術の傷跡が今度は人から変に思われると感じ、悩んでしまうことも多いものなのです。

    また、精神性の、わきがの場合は家にいる時には特に気にならないけれども人の中に出ると臭いが気になってしまうことが多いものなのです。

    そして、精神性の、わきがの場合は脇の下からの汗が多く出る、多汗症と一緒になっていることが多いものです。

  • 2.原因

    わきがの場合、汗腺の異常など純粋に体の異常が原因になっている場合と、精神性、つまり精神的な「とらわれ」が原因になっている場合の2通りあるのです。

    そして、この精神的な「とらわれ」が原因の場合は神経症性わきがと言っても良いと思います。

    つまり、この場合は神経症の症状である、体臭恐怖症などの自己臭恐怖の一種と言えるものなのです。

    自己臭恐怖では、おならや汗の臭いのために人に嫌がられていると感じる症状が多いのですが、脇の臭いが気になる、わきがが原因になっている場合も良く見られるのです。

  • 3.薬に頼らない対応法

    わきがの症状が神経症から来ている場合は手術や薬といった治療を行うよりも、他の神経症の症状と同様に森田療法の学習によって対応していった方が良いと言えるのです。

    つまり、森田療法の学習をしていく中で、わきがの症状に対する「とらわれ」が薄れてくることで「行きつ戻りつ」しながらも治ってくるものなのです。

    なお、わきがを手術などで治療しようとする所もありますが、汗腺の異常など純粋に体の異常が原因になっている場合には効果があると思いますが、神経症が原因の、わきがの場合には根本的な治療にはならないと言えるのです。

    これは、神経症が原因の、わきがの場合には、汗腺などの体の異常はなく、脇の臭いに対する「とらわれ」が出来ているからだと言えるのです。

    つまり、この、脇の臭いに対する「とらわれ」がなくならない限り、いくら手術や薬で対応しても根本的な治療にはならないのです。

    ただし、汗腺の異常など、純粋に体の異常が原因になっている、わきがの場合には手術や薬で治療していった方が良いと思います。

    ですから、体の異常が原因になっているか、精神的な「とらわれ」が原因になっているか、この見極めをきちんとつけていくことが大切になってくると思います。

    そして、このためには対人恐怖症や、あがり症の傾向があるかどうかが一つの目安になると思います。